カテゴリーアーカイブ: 002 : ミクロな世界の神髄 ③

んなバカな!人が見てると未来がかわるの?

こんばんは、三茶ロボットです。
近頃揺れに揺れますねー皆さん大丈夫でしょうか。気をつけましょうね。

さて、ここまでで 「光も粒子も、弾丸でありつつ波である」 ということをお話しました。
みなさん、うそくせーなーんかうそくせー、って思ってるでしょ!?
今日は、これを裏付けるような現象のお話をします。この話、初めて知った時、本当びっくりしました。

前回、光の回折(まわりこみ)を説明しましたね。
これに加え、下準備として 「光の干渉」 をまずはご説明いたします。
海の波って、山と谷がありますよね。音波も光も同じように、山と谷があります。
たとえば下の絵のように、二つの電球が光っている時、山と山が重なる部分は強まり合い、非常に明るくなります。
この効果を 「光の干渉」 と呼んでいます。

では次に、電球を一個のみ残し、下の絵のように壁に二つスリットを作ってみます。
するとスリットに突入した光は、 「回折(まわりこみ)」 の効果で、再度円形に広がっていきます。
その先にスクリーンを置いてあげると、二つの光が重なる部分は今ご紹介した 「干渉効果」 により、
とても強い線が見えるようになります。

 

 

実際、こういう干渉や回折は身近でよく起きていますし、よく使う技術でもあります。

では、さらに一工夫してみます。光源をこの電球から、
「屈強な弾丸である光子を一発づつ打ち出せる大砲」  に変えます。
弾丸モードの光も、前回お話したように波に変形する確率を秘めており、波モードの時はやはり、
回折する能力を帯びています。
ですので、一発ずつとはいえ、何発も連続して打ちまくると、電球のとき干渉を起こすポイントに
どんどん光がたまっていき、結果下の絵のような干渉縞が見えてきます。

これは、実際の実験で観測されている現象です。
弾丸として打ち出したハズの光が、回数を重ねれば重ねるほど波としての性質をあらわす場所に蓄積されていくのです。
つまり、弾丸であるものが波として振る舞う確率を持っている、ということになりますね。

さて、ここからが本日のメインディッシュです。この怪しい観測装置にもう一個スパイスを効かせます。
今、回折を起こしているスリット。ここに陰湿にもカメラを置き、光がどちらのスリットを通ったか確認できるようにします。
カメラが 「弾丸である光」 を激写する、ということは、この瞬間光は弾丸100%。
逆に言えば、波として振る舞える可能性を失うことになります。
この状況で先ほど同様、大砲君には何発も光を打ち続けてもらうと、おやおや、先ほどの干渉縞がなくなってしまうではないですか!

 
光が波と弾丸両方の性質を持っているが、弾丸として捉えた時、波としての性質をすべて失った証拠なのです。
全く不思議な話ですよね、人の意志で確認するかしないかで、結果が、つまりは未来が変わるんです。
これは、実際の実験で何度も証明されたことなんです。
ボクは大学1年の時この話を授業で聞き、うーん不思議だ、物理やっぱ面白いなーと思いましたね。

神隠しの話に戻りますが、おそらくは親が目を離している瞬間、チビッ子は弾丸にも波にもなれる可能性をもっており、
凄まじく低い確率で全身波に変形し、山を回折していったのでしょう。
ボクも子供が出来たら、その子が波に変形しないようなるべく見守ってあげたいなと思ってます。
さて、本日お話した内容は量子論のキーポイントとなる3大のルールのエッセンスです。

1. 光だろうが物質だろうが、「波」と「弾丸」両方の性質が重なりあったヘンな状態である
2. ヘンな状態は、人間が観測した瞬間、どちらかの状態に固定されてしまう
3. どちらの状態に固定されやすいか、という確率が現象ごとにそれぞれ存在する

ちょっと難しくなってきましたが、この妙な現実を受けとめていただき、
この後続く更なるエキサイティングなお話を一緒に楽しんでいきましょう。
三茶ロボット from Sangendyaya