[番外] ほりえもんについて

かつてライブドア事件で世間を騒がせた「ほりえもん」に4/26付けで実刑が下されました。
あまりよく知りませんが本件、山一証券やカネボウ等の起こした粉飾決算事件に比べてみると、
ロングスパンの不良資産隠蔽とは異なり、M&A による買収企業をほんの一瞬連結対象から外したところを
検察にチクチクつつかれて今に至った、とのことですね。

ボク自身、この手の事件自体にはあまり興味がないのですが、ほりえもんという人物には物凄く興味があり、
実は大変感謝もしています。
今日は自分のバイブル的なものだった、ほりえもんの思想について少しだけ話そうと思います。
  ## 今日は相当物理から離れますが、とてもタイムリーなアレなんで。
10年近く前でしょうか、とあるテレビ番組で頭が良い人間と悪い人間の差を議論していました。
前者が体現出来ていること、そのエッセンスは実はとても単純で、カラクリさえマネすれば
平凡な頭脳の人間でも飛躍的に脳を活性化できる、というのです。
みなさん、ご自身の経験やカン、考え方というものをよく理解されていますでしょうか?
ボク自身、正直この話を見るまで自分のことすらよく理解が出来ていなかったと思います。
社会生活の中で「頭が良い」や、「仕事が出来る」と称され矢面で活躍している人間は、
そもそものIQであったり器量の良さ、キャラ等はさほど関係なく、それまでに培ったバックボーンが
どれだけ効率よく活かされているか?に尽きるというのです。

この理屈は、「全ての物事には因果関係が存在する」という根幹に帰着するのです。
全ての物事って?どこからどこまで?というと、本当にすべての物事なんです。
例えば、大学で電気電子工学を先行しプログラムをいじっていた人間がソフトの会社に就職し、
扱い慣れた言語を使って人より早くアウトプットを出す。これは非常に解りやすい例だと思います。
しかし、一見まったく何の関連性もない事象の間にも因果関係はある、と、ほりえもんは言うのです。

「朝食でコーヒーとトーストを摂取した」という事象と、「好きな人に告白してフラれた」という事象、
まったくもって何も関連性はないですよね?
でも、この点在する二つの経験をひもで結び、そこに個々人の主観でいいので何かしら関連性を見出して
マーキングしてみるんです。
例えばボクなら、「カフェインでお腹の調子が悪くなると、表情が険しくなる」とします。
さて、これを因果関係としてこの二つを見てみると、「朝のコーヒーでお腹がいたくなったからあの子にフラれた」、
という一連のストーリーを強引にくみ上げることが出来るわけです。

では、同日、おばあさんに席を譲ったという経験もした場合、次に「コーヒー」と「フラれた」という両事象から
この事象へひもづけし、それぞれの関連性はなんだろう?と思考を推し進めると、「コーヒー」と「フラれた」と
「席をゆずった」という三者間全てに関連性をマーキングすることが出来るようになります。

このように、個々人がバックボーンやバックグラウンドを最大活用するために大事なのは、上記のように経験した事象、
すなわち「点」を見直すのではなく、「点」と「点」の間に横たわる因果関係を見直すことにある、というのです。
人間の記憶素子の数と能力には限界があり、たくさんの「点」は意外と早く忘れてしまう、それよりも、
そこをひも付ける因果関係を把握し、頭の中で印象付けることを繰り返し、そして慣れることで、
次に新たな経験をした際、それまで経験した全ての「点」から一斉に新しい「点」への線が引っ張られ、
沢山の因果関係がマーキングされ、結果さまざまな視点・切り口によるバリエーションに富んだ思考形態に
進化する、というのです。

この話、賛否はあるでしょうけど、すごくタメになりました。
当時、手始めにボクは「職場」、「研究室時代」、「バンド活動」、「恋愛」という4つの
大きなテーマの中で経験した物事を羅列、縦横無尽にそれらを結び関連性をマーキングしていきました。
これがやってみるとナカナカ面白く、一生忘れてしまいそうだった経験すらも、因果関係をひものマーキング
として把握することで、再び呼び起こすことが出来るようになっていました。

これは一種の脳トレだと思います。
最近はこんな根暗なトレーニング、やっていないのですが、今でも新たな仕事、新たな経験に直面した時、
以前よりもはるかに経験や関連性が瞬時に頭をよぎり、生産性の高い方向に話を加速出来るようになった、
ような気がします。証明しようがないので何とも言えませんがw

と、まぁ長くなりましたが、今日言いたかったのは、
遠く離れた星々の間にすら微かな万有引力があるのと同じで、生活の中で得る全ての貴重な経験の間には例外なく関連性はある、
それを見つめることはとても面白く、且つ考え方を豊かにしてくれる。
ひいては差別や偏見といった余計なものも取り除いてくれる、ということっす。

あまりコアな持論を人に話すことはしないのですが、
今日はある意味、自分の恩人が少しの間旅に出ることが決まった日なので書かせてもらいました。
といっても、リツイートが多すぎるのでツイッターフォローはしてないんですけどね。

三茶ロボット from Sangendyaya

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