光が異質なものに化ける瞬間

こんちくわ。三茶ロボットです。
どうも釈然としない不思議な話をしてきましたが、まずは
「星がなぜ見えてしまうか?」について考えていきましょう。

まず、遠くにある星の光は地球に到達するまでに弱りきってしまい、目のレシナール細胞が
反応出来ないハズ、という話をしましたね。
実は波が持っているエネルギーは、以下の二つで決定されます。

①: 波の高さ
②: 波の間隔

海の波といっしょです。高さのある波はかなり陸まで食い込んできますよね。
その上、波の間隔が短ければ、何度も何度も波が打ち上げてくるわけです。

光における波の間隔、すなわち波長が長いものの代表は赤外線選手。
こたつの中や、携帯電話の赤外線通信、つまり合コンの場で大活躍です。
一方、波長が短いものの代表はお肌の天敵、紫外線選手です。さらに波長が短くなると
昨今いろいろとうたわれている放射線の領域に突入します。
端的に言えば、「赤い光は弱い。青や紫は強くて危ない」 と判断していいです。

さて、前準備はこれくらいにして、本題に入りましょう。
星の光は、様々な波長がごちゃまぜになっており、出発点ではものすごい高さのある波です。
しかしながら、地球に到達する頃には、さざ波程度の弱っちい波になるはずです。

ここで常識を覆す現象が起きるのです。
光は、あまりに高さを失うと 「波」 から 「光子」 という、一発が高いエネルギーを帯びた、
「非常に屈強な弾丸」 に姿を変えるのです。
この光子は、波が赤外線や紫外線に分類されているように、波長に比例したエネルギーを
もっています。 つまり、「赤弾丸」 や 「青弾丸」、「黄弾丸」 があると考えることができます。

この弾丸一発のエネルギーは、ちょうどレシナールを反応させるエネルギーをもっていたのです。
ただ、この弾丸は普通の弾丸と違い、
「存在する」 もしくは 「存在しない」 両方の確率を持った不思議な弾丸なのです。
下の絵のように、長旅を経て高さを失いつつある波が、ある地点でデジタル信号のような性質を
もった弾丸になるのです。

実際、この絵の通りボクらは100%の星を見ているわけではなく、「見える」と「見えない」 を同時に
見ていることになるのです。言ってみれば 「30%の星を見ている」、ような感覚です。
バヤリースを飲んでいるようなもんです。
ピンとこないかもしれないのですが、光は波と粒子の両方の性質を持った不思議な存在なのです。
実をいうと、数百メートル先を走っている車のライト。これも、この性質がないと見えないハズなのです。

かなり懐疑的になってしまうかもしれませんが、これが原理原則、と捉えてください。
小さな子供がコップを倒すと中身が流れ出てくることを初めて理解する、くらいのノリでヨロシクです。

さて、この性質だけではもう一つの議題、「ボールが壁をすりぬける」 をまだ理解できませんよね。
次号では、もう一つ別の視点からこの問題を片付けていきたいと思います。

三茶ロボット from Sangendyaya

野球ボールが壁をすり抜ける??

さて、こんばんは。三茶ロボットです。
前回、見えないハズの夜空の星がなぜ見える?という話をしました。
本日はもう一つ、常識では考えにくい話をしましょう。

皆さんガキンチョの頃、キャッチボールの相手がいない時って壁にボールをぶつけてましたよね。
当然ながら、壁に当たったボールは跳ね返り、自分のところに戻ってきます。
ボールのように弾力のあるものは跳ね返り、逆にたまごのようなものを壁に投げれば跳ね返らず割れてしまいます。
これは、高校物理で学ぶ運動量保存則と、投げる物体と壁のもつ跳ね返り係数を考えれば説明がつきます。

実は、この壁とのキャッチボール、命ある限り何億年何兆年と繰り返し続けていくと、
まれに 「ボールが壁をすり抜ける可能性を秘めている」 のです。
もちろん可能性は非常に低いのですが、この学問の理屈では、可能性 0 じゃないのです。

壁にぶつけるものが小さくなればなるほど、この確率は高くなります。
特に皆さん愛用されている電化製品の中には半導体という怪しげな物体が入っているのですが
この半導体の中では非常に小さな電子君が頻繁に壁をすり抜けて遊んでいます。
電化製品の技術は、実はこのボールすり抜けの性質の上に成り立っているのです。

そして古来から伝わる超常現象の一つ 「神隠し」も、親が目を話している隙に小さな子供が
山をすり抜け、山を挟んだ隣町で迷子として捕獲されていた、なんて伝説もあったようです。

うーん、不思議ですねー。
常識で考えると有りえない話ですねー。でも、あるんです。
そしてその性質を逆手にとった技術が今の世の中さえも回しちゃってさえいるんですよ。
いよいよ次号では、ボールと前回の星の話の種明かしを始めようと思います。

三茶ロボット from Sangendyaya

夜空の星って本当は見えないハズなんだけど。。。

こんばんは、三茶ロボットです。
冬って、星が沢山見えていいですよねー。

実はボクらが見ている星って、「昔の星を見ている」 って知ってました?
夜空の星々は地球からとても離れた場所に有ります。
たとえば白鳥座のデネブって星は、地球からざっと2000光年は離れています。
これは「光が2000年かけて到達できるキョリ」、つまり、目で見えるデネブは2000年前の姿を見ていることになるんです。

そんな遠くの星が見えるなんて、人間の目って良く出来てるなーって思うかもしれないけど、
理屈からすると本来星は見えないはずなんです。なぜかって?
じゃぁ、次にちょっとだけ目の構造を探ってみましょうか。

人間は目に入った映像、つまり目に入ってきた光を察知した後、電気信号に変えて脳に送ります。
ここで初めて人間は「見えた」と自覚するわけです。
目の中には、脳への電気信号を発する「レシナール」という細胞がいて、こいつが反応するだけの強い光があれば
すなわち「見える」ということになるのです。
あまり暗い場所、つまり光が弱い場所だと当然ながら、何も見えませんよね。

つぎに光と距離の関係について探ってみましょう。
光の強度は、距離が遠ければ遠くなるほど弱くなっていきます。これは光は音波や海の波と同じ、
波の一種であることを表しています。
ちょっと細かい話をすると、光は電磁波の一種であり、
電磁波の強度は「光源からの距離の2乗に反比例して弱くなる」のです。

これらの理屈からすると、デネブの光は2,000光年の距離を旅した後でもレシナールを反応させる強度が
残っている、ということになります。
しかしながら、計算によると、地球上で観測するデネブの光は非常に弱く、とてもレシナールを反応させる
エネルギーが残っていません。

不思議ですねー、なんで星は見えちゃうんですかねー、気になりますねー。
ここまで非常に一般的なものの見方で話を進めて来ましたが、
これは光の性質について何か決定的な見落としをしている、ということになります。
さて、次号では種明かしの前にもう一つ不思議な例を挙げたいと思います。

三茶ロボット from Sangendyaya

ご挨拶

いやーどうも、三茶ロボットです。
実はボク、大学で物理学という非常にニッチな学問を専攻していました。
現在の世の中を支えている様々なテクノロジー。これを実現している、
驚くほど興味深い物理の世界に皆様をご招待したいと思います。

実は、その昔ヨーロッパの貴族達はたしなみや娯楽で物理を楽しんでいた時代がありました。
現在大学で開設されている理系の学部・学科はどれもこれも情報やらリテラシーやら、
時代に迎合すべく細分化され、実用性の高いものが増えています。

しかしながら、それらは基本的かつ真理的な部分をかっとばしているせいか、世の中は
「よくわからない技術をよくわからないまま使う」 という方向に進んでしまっています。
そんな世の中はとても退屈で、同時にとても危険な状況にすら置かれていると思います。
ボクは一人でも多くの方々と、世の中の真理をつかさどる物理の面白さを共有したいのです。

手始めに普段ひじょーに馴染みの少ない「量子論」を題材に話をしていきます。
ご安心ください、見るだけで吐き気がするような算式は基本的に使いません。
身近な話や下ネタを織り交ぜていきますので、気軽に見ていってくださいね。
三茶ロボット from Sangendyaya